黒潮町佐賀北部活性化推進協議会
大豊町に行ってきました
2015年7月9日 17時30分 更新 2012年4月5日 19時55分 公開
4月19日、快晴のもと、協議会一行は一路、大豊へ。
昨年末に、大豊町の高知県地域支援企画員の井上さんから「大豊で使っていない蒸し桶と羽釜があって譲ってもええいよという話しがありますが」と言う有り難いお話を頂いていました。
これがないと、楮の作業は完成しません。大型機械などが要らない、手作業の多い楮栽培ですが、唯一の大道具であるこれらは今作ってるところはなく、
高齢化でどんどん廃業してるので、辞めると場所を取ることから燃やされて残ってるのは少ない。あちこちで、「あー数年前まではあったがよ」という話しばかり。
大豊は高知でも有数の楮栽培地域で、残っていたのですね。
譲って下さるのは杉本和恵さん。8年前に旦那さんがお亡くなりになって仕事を辞めたそうです。その後、蒸し釜は断崖絶壁の見晴らしの良い小屋に鎮座してきました。
重労働で、地域の人たちで協力しあう、または家族総出での作業の蒸し剥ぎ。
「どうして、すぐに燃やさなかったの?」と聞くと「40年近く主人と頑張ってきた道具やけんね、すぐに捨てる気にならんかったし、あちこちから譲ってくれと言われても手放す気にならんかった」と仰いました。
「今日持って行ってしまって寂しくないかね?大丈夫かね?」と聞くと「うん、もう、ふんぎりついたし、大丈夫」と。
はやく、引き上げてくれという催促だったのは、この杉本さんの想いから、踏ん切りついた以上早く持って行った方がいいということもあったようです。
昨年、檮原町で譲っていただいた桶もロギールさんのもとで25年間、その前に何年働いたか。重労働で、厳しい作業を家族と共に過ごしてきた道具には、それぞれの想いが詰まっているのです。
高知で一番標高の高い所から、海抜いくらにも満たない温厚な佐賀に引っ越してきて再就職の道具。今度は地域の人たちに大事に使われ、子供達の賑やかな声の中、頑張ってもらいます。
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